Cults of Horror


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著者: David Xana "DEVIL MACIMA" / Sandy Petersen
訳者: 斉藤義和、矢野敦也
カテゴリ: RQ/クトゥルフの呼び声 ファンジン
発行サークル: 不明
形体: B5版コピー誌
ページ数: 30ページ
値段: 不明
レビュー著者: まりおん (yelmalio@za2.so-net.ne.jp)

 怪作である。

 これは「グローランサにクトゥルフの神々がいたら?」という趣旨の冗談本である。しかしながら、Sandy Petersen氏の協力を仰いでいるというなかなか気合の入ったもの。神話と歴史などもいろいろと辻褄をあわせており、唸ってしまうものもある。

 アザトース、クトゥルフ、イタクァ、ニャルラトテップ、シュブ・ニグラス、イグ、ヨグ・ソトートの各カルトの解説と、「秘宝」としてレンの鏡、輝くトラペゾヘドロンなどのデータを紹介している。

●グローランサの「外なる神々」

 基本的に「外なる神々」は混沌の神々という位置づけになっている。グローランサの「外」に位置する神々というわけだ。

 アザートスは理解不能の「混沌」そのものを指すとされている。始祖混沌ですら、人間が理解可能になったアザトースの一部でしかないというのだ!よってアザトースを信仰するカルトは存在しない。ただニャルラトホテップのみがその意志を代行して暗躍しているという。

 クトゥルフは水の混沌神とされている。かつて帰郷洋には狂った預言者アブド・アル・アズラットが建てた大寺院「ルルイエ」が存在していたが、マガスタの一族によって太洋の底へ封じられた。帰郷洋の沿岸にはクトゥルフを信仰する半魚人の村が存在するとも言われている。

 イタカは虚空の風である。ヴァリンド氷河で信仰されているともいう。

 ニャルラトテップは「千の貌を持つ」とも言われ、法化した混沌とも言われる混沌神である。彼は仮面をつけることにより「時」の盟約に参加し、グローランサを自由に闊歩する能力を得た。ニャルラトテップは歴史の様々な節目に関係していたといわれる。

 シェブ・ニグラスは混沌の豊穣の神である。彼女はパマールテラで主に信仰されている。

 イグはプラックスや大荒野でヘビ人間によって信仰されているという。

 ヨグ=ソトースはアラクニー・ソラーラに喰われたカージャボールの精髄の一部であり、「時」の反存在である。よってこの神は「時」の外にいながら同時に「時」の内側にいる。そしてあらゆる時間、あらゆる空間に存在しているという。

●これは冗談本だ、しかし…

 もちろんこれはオフィシャルではないし、これをゲームに導入すれば色々と面倒を生じるだろうし、グレッグ氏も「別作品とのクロスオーバーは嫌いだ」という趣旨の発言をしている(こちらを参照)。

 しかし、それをふまえた上でも、この本は面白い。冗談を非常にまじめに扱っているからである。その真摯な態度にはある意味頭が下がる。意図的なトンデモ本と言えるだろう。

 このような趣旨の作品として、「麻雀の神イーピン」(友好カルトがサリリゴール。提供呪文《タコ発見》)や「ストームブルOX」(混沌カルトを倒すために混沌を増やしている異端カルト)などの作品があるというが、残念ながら評者は未見である。もしご存じの方がいたらぜひご一報をお願いしたい。

●入手法法

不明(本を譲ってもらった友人もどこで手に入れたか分からないと言っていた)。
もし著者の方をご存じの方がいたらぜひご教授いただきたい。