ジオ亭通信 #7
著者:ジオ亭通信社(Vampire.S、グローランサ文献学者同盟、Grape
Steamrose、Beron、櫻井ばく) |
今回の特集は「グローランサ研究の方法論」でした。
コンテンツ:
I 特集:グローランサ研究の方法論
・Economy in The Wastes
・それいけ!グローランサ探検隊:ドラゴン・パスの酒事情
・サーターの酒税政策とその影響
II その他の記事
・これが七母神の加護だ!
・エスロリアの秋:RuneQuest 3rd Ed. シナリオ
・ヴィーヴァモート:不死なるものの君主
・ジオ亭通信からのご案内
特集は、既存の資料でグローランサの様々な事象を考察したもの。
「Economy in The Wastes」は、「ブック・オブ・ドラスティック・レゾルーションズ:プラックスの書」を元に、生態学と経済学を駆使し、プラックスの遊牧民の生活パターンを考察しています。遊牧民の各部族の略奪行為から礼拝の仕方まで考察を広げており、まるで学術論文のようで読み応えがあります。バイソン族が最大の部族である理由、セーブル族がルナー帝国と同盟した理由、など細かな点まで考察しているところが素晴らしい。
「ドラゴン・パスの酒事情」はドラゴンパスでどんな酒が飲まれているのかを考察したもの。酒にまつわるシナリオヒントなども。
「酒税政策」はルナー帝国の租税政策に関する考察。酒にかける税が反乱のを呼ぶ、という考察は視点として面白い。著者は「ボストン茶会事件」(アメリカ独立戦争の引き金となった事件)を引き合いに出しています。
その他の記事
「七母神の加護」は……恐ろしい。GMがこれを許せばルナー帝国はあと100年は安泰でしょう (^^; 。
「エスロリアの秋」はシナリオという性質上、内容には触れません。
「ヴィヴァモート」はヴァンパイアの王のカルトを、第二版より移植したもの。ヴィーヴァモート・カルトは「神性カルト説」と「魔道分派説」があり
ますが、このライトアップは「神性カルト説」を採用しています。
じっくりと本を読み、これを元にデータを用意できる全てのGMにお勧め。データとしてすぐ使えるものは少ないのですが(シナリオもデータなどは自分で用意する必要があります)、これを消化できる人にとってはとても「おいしい」ファンジンと言えましょう。もちろんプレイヤーにもお勧めです。
筆者はシナリオ「エスロリアの秋」を実際にプレイしてみましたが、なかなか楽しいシチュエーションが色々と生じて愉快でした(踊れ踊れ〜って感じですか?(笑))。ただ、情報を握った人がホントに最後まで情報を開かさず(筆者がプレイヤーを各自呼んで情報を与えたため)、プレイが終わるまでプレイヤーも何がなんだか分からない状況だったようです。このシナリオは各プレイヤーのみが知っているという情報が多いので、プレイヤー全員にも情報を与え、PCは知らないという状況をロールプレイさせる方がストレスを与えなかったかと思います。今後プレイしてみようと思っているGMは参考にしてみてください。
シナリオは非常によい出来でした。個人的意見ですが、情報の与え方のきちんとした指示、ブロック化されたシナリオパート、アドリブのききやすいように情報を一ヶ所に集めていることなど、シナリオ記述面で非常に優れているためマスタリングしやすく、またプロット、著者の目的とするプレイスタイルなども独特なもので、はっきりいって国産RPGのほとんどのシナリオより出来が良いと感じました……これでデータが完備されていれば100点。NPCのデータ、ばかりか名前まで考えなくてはならんのははっきりいって大変でした。
RQのファンジンにはデータや論考を扱ったものが多いのですが、シナリオなど「すぐに使える」ものも求められているのは事実だと思います。いろいろな論考・データ集にそれを生かせるシナリオがついてるのが理想なのですが…。それはファンジンでは大変すぎるか。
ともかく、ジオ亭さんには今後の刊行でもシナリオ期待しております(なんて言っていいんだろうか)。
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