ルーンクエスト上級ルール


※当レビューは「Scoops RPG」ホームページにて掲載されたものを一部修正しています。

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著者:Greg Stafford、Steve Perrin、Lynn Willis、Steve Henderson、Sandy Petersen、Warren James/翻訳:田中勇樹
カテゴリ:RPGルールブック
発行社:株式会社ホビージャパン
形態:ボックス・タイプ
ページ数:本体134 + 分冊A16 + 分冊B32
値段:4500円+税
レビュー著者宇津見(wfe0wyrm@mbn.or.jp)
プレイ経験:

※写真は本体冊子です。

 基本ルールである『ルーンクエスト』で省かれたルール、およびデータの追加集を翻訳した物である。基本ルールに、このセットの内容を合わせて、ルーンクエストは初めて完全な物になる。

 追加された様々な戦闘オプションや魔術はキャラクターの行動の幅を大幅に広げてくれ、流石はルーンクエストと思わせてくれる。使いこなすのは大変だが、大半はオプションルール的な物なので、欲張らずに使える物から少しづづ使っていけば馴れてくるだろう。魔法(魔道)魔術と儀式魔術が理解に一番骨が折れるだろうが、把握すれば非常に使い応えがある。また、キャンペーン世界についての各種汎用設定も非常に充実しており、GMのキャンペーン世界を充実させてくれる。とにかくルールやデータが充実している。

 追加されたのは主に以下のものである。

・戦闘ルール用オプションルール
 特定の身体部位の狙い撃ち、気絶狙いの攻撃、騎馬に騎乗しての戦闘、盾を固定して構えることによる防御行動、戦場のさまざまな状態によるボーナスやペナルティなど、戦闘のための豊富なオプションルール。

・各種追加呪文
 基本ルールでは紹介されなかった多数の呪文を紹介。

・高度な魔術ルール
 主に各魔術分野のエキスパートのための追加ルールを述べている。
 精霊魔術のエキスパートである「祈祷師」は、幽体離脱や、自分の分身である精霊「魔精」等といった能力により、現世と精霊界を自在に行き来し、精霊と直接霊体で戦ったり、精霊を従属させて使役することができる。
 神性魔術のエキスパートである「司祭」は、神性呪文を再利用可能で使用することができる。また神性魔術に関しては、大量のPOWを失う危険性を冒して奇跡を神に嘆願する「神性介入」や、信者数による寺院の規模の解説、汎用的な「一般神性呪文」や神の僕の精霊から習得できる「カルト精霊呪文」のルールが追加されている。
 魔法魔術は、基本ルールで省略された操作技能と、エキスパートである「達人」が紹介されている。操作技能を使うと、呪文の威力のみならず、射程距離や持続時間を操作できたり、複数の呪文を同時使用できたりする。またエキスパートである「達人」は、魔術のストックや行使を補助する「使い魔」を扱うことが可能になる。

・儀式魔術
 精霊や魔物の召喚と従属、精霊や魔術を封じた品物や場所の創造、物体の硬度の向上などといった、高度な魔術を行使するための儀式のルール。

・追加クリーチャー
 基本ルールでは紹介されなかった多数のクリーチャーを紹介。

・ゲームマスター入門
 ゲームマスターをするための心がけとテクニック等を紹介している。特に斬新な記述はないが概ねよく書けており、時たま読み返してみるといい。

・シナリオ作成キット、文明
 遭遇表、各種財宝とプレイヤーキャラクターへの報酬の量の指針、村や都市の配置、各種物価などが述べられている。
 特に物価に関する記述は詳細で、武器や雑貨、旅費の詳細さはもちろんのこと、生活費、雇用、身代金、各種サービスの料金、建築のコストなど事細かに述べられている。また、ほとんどの物価には辺境と人口集中地との違いが存在する。他のRPGにも十分応用可能である。
 これで交易用ルールでもあれば『トラベラー』のような冒険商人のプレイも容易にできたであろうに、そうしたルールが無いのだけが残念である。

・船と航海
 船舶を作成し、速度や搭載量、耐久力などを設定するためのルールと、実際の航海や艦船による戦闘を行うためのルールを述べている。

 ルールブック本体の他には、『グローランサ入門ブック』という冊子と、頻繁に参照する票などをまとめた『レファレンスシート』、若干改定されたキャラクターシート、船舶用のキャラクターシートである『シップシート』が付属している。

 『グローランサ入門ブック』はグローランサについて必要な知識をまとめた物だが、正直言って内容、体裁ともに最低の代物で、これだけでグローランサ世界をプレイするのは極めて困難である。ちゃんとした解説をしたサプリメントの導入を図るべきで、目的にもよるが『ゆりかご河』か『ルーンクエスト'90S』あたりををお勧めする。
 『レファレンスシート』は特別参照しやすいということはないが、なにぶんこのゲームの性格上、ルールや表をセッション中に参照する機会が多いので、参加人数分のコピーを用意して(注意!ゲームマスターだけにコピーの手間と代金を払わせないように!)各参加者の手元に置いておくのが望ましい。