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いろいろな本について
2000.03.30. 「Beast of East 東方眩暈録」 (バーズコミックス/山田章博) 古代日本に題をとった冒険譚。
題をとった、というのは、歴史を参考にしつつ全く無視しているからである。わかりにくい例えだが、「海底二万海里」と「不思議の海のナディア」の関係とでもいったらいいだろうか(笑)。こういう方法はゲーム「天外魔境」でも使われているが、センスがいい人がやるとものすごく面白くなる可能性を持っている(逆に、センスがないと単なるパロディになってしまう危険性が高い)。
山田章博氏というとそのすばらしい画力に目がいくが、その台詞まわしも素晴らしい。「血の枯れた老人ではかなわぬ事だが、お前達の侠血はさぞ私の肌を温めてくれるだろうねえ?」とかね。どうやったらこんな言葉が思いつくの? と感嘆してしまう。
ストーリーは、九尾の狐に幼なじみの少女を憑かれた少年「鬼王丸」が、狐と対決していく話……になるのでしょう。
阿倍晴明(もちろん美形 (^^; )とか平将門とかが登場し、豪華キャストで非常にたのしみなお話。いまのところ第1巻のみ発売中。
1999.11.16. 「サンドマン」 (インターブックス/ニール・ゲイマンほか) アメコミである。
アメコミというと「ムキムキマッチョの全身タイツが悪い怪人をバッタバッタと……」という想像する人もいるのではないだろうか。いやそれは間違っていない(というと一部から批判がきそうだが(笑))。が、全てをあらわしてもいないんである。
最近のアメコミには、昔からのヒーローを新たな切り口から描いて成功を収めたものがたくさんある(らしい)。その傑作が「キングダム・カム」というやつらしんだけど、まりおんはまだ読んでいない。……ともかく、そういう事らしい(すんません、アメコミを語りながらほとんどアメコミは読んでません)
で、今回紹介する「サンドマン」というのも、元々はかなり昔に描かれていた(マイナーな?)ヒーロー物だったらしい。が、これをイギリスのニール・ゲイマンという人が語り直した……そしたら、全く別の話になってしまったのである。しかも凄く面白い。
主人公は「ドリーム」(サンドマン)という。彼は超越的な力を持つ七人の「エンドレス」の一人であり、「夢の王」である。彼は人格化した「概念」であり、全ての夢を支配するのだ。だが彼は人間の魔術師(「黄金の夜明け」団のアレイスター・クロウリーみたいなヤツ)に捕らわれ、自由を失っていた。長い年月の後についに脱出を果たした彼は、自らの力を取り戻し「夢の王国」を再建するために探索を始める……というのが第一話「プレリュード&ノクターン」のあらすじ。(ちなみに舞台は現代である)
読みながら、なんかに雰囲気が似ているなあ……と思っていた。
なんだろう、と考えていたのだが、ハタと気が付いた。「エルリックだ……」
イギリス人ってやつは基本的に暗い話が好きらしい(笑)。
というわけで、かなり異色の「ダーク・ファンタジーなアメコミ」である。エルリックのような雰囲気のファンタジーが好きな人にはお勧め。日本のマンガに慣れた身には最初のうちはツライだろうが、我慢して読むだけの価値はあると思うゾ。
なお、第二話「ドールズ・ハウス」の中に出てくる、サイコ(快楽殺人者)たちのコンベンションはかなり怖い。
お気に入りのキャラクター:サンドマン(ドリーム)、デス
1999.11.12 「グインサーガ」シリーズ (早川文庫JA/栗本薫)
「それは――
《異形》であった。」このフレーズで始まるグインサーガ第1巻「豹頭の戦士」を買ったのは、中学3年の頃だから、10年以上も前になる。
そのころ買っていた「マイコンBASICマガジン」には、ファンタジー小説を紹介するというコーナーがあった。当時はまだファンタジー小説は市民権を得ているとはいえず、そういう中で非常に価値のある記事であったと思う。紹介されていたのは「指輪物語」、「エルリックサーガ」、「コナン」など、ファンタジー小説の王道といえるものばかりだったと記憶している。その中でなにゆえ「グインサーガ」を選んで読んでみようと思ったのかはよく覚えていない(実は紹介文に何が書いてあったのかも覚えていない)のだが、「エルリック」や「指輪物語」ではなく「グインサーガ」を選んだのには紹介文に何か惹かれる部分があったのだろう(「エルリック」や「指輪」を読んだのは高校の頃である)。
で、これは大当たりであった。主人公の豹頭の戦士グインをはじめとしたキャラクターの魅力、その運命の変転はもちろん、その世界設定の緻密さにも惹かれたのだった(ここらへんにグローランサへ至る片鱗があったり)。なけなしのこづかいをやりくりし、田舎ゆえ全巻そろっている本屋などなかったので方々を探し回り、半年ぐらいかかって当時発刊されていた27巻+外伝6巻までを揃えたのだった。思えばこれで道を誤ったのだなあ(笑)。
グインサーガは当初「ヒロイック・ファンタジー」として始まり、次第に戦史もの、やがて大河歴史小説としての色合いを強めていく。「全100巻」を最初からうたっており、こうなっていくのはある意味自明だったのかもしれない。現在、約70巻を費やして第3巻で予告されていた「三国時代」に突入しようとするところである。……あと30巻で決着がつくのだろうか? (作者も「つかない」って言い始めてるゾ(笑))
40巻あたりから少し中だるみする部分はあるが、現在はまた話の展開は急ピッチとなっており、話も佳境に入ってきた。ちょうど一昨日(99/11/10)、68巻「豹頭将軍の帰還」が発売された。来月頭には69巻「修羅」、来年の初めには70巻「豹頭王の誕生」が発売される予定となっており、今後も2〜3ヶ月に1冊のペースで刊行が進むと思われる(どうも本は書き上がっているのだが、イラストが間に合わないという状況みたい)。
未読の方がいたら、まず古本屋ででも「辺境篇」(1〜5巻)を手に入れて読むことをオススメする。これが気に入らなかったらそれまでだが、気に入ったなら残り65冊+外伝15冊 (^^; も楽しくよめるはずである。
お気に入りのキャラクター:グイン、マリウス、シルヴィア皇女
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