第三パート
●シーン1 カタコンベ
第二パートのシーン8を終わらせた上で、このイベントを発生させます。
メイがPCたちに保護されていないなら、たまたま外に顔を出した時に、オオトモに誘拐されます。
メイがPCに保護されているなら、オオトモはメイを親身に世話をしていた適当な白の月のカルトのメンバーを誘拐します。特にプレイヤーが重視するようなメンバーがいないようなら、彼の名前をヨセフとしておいてください。そして行商人に変装して、通りすがりの通行人に銅貨三枚の手間賃を与えて、PCたちが寝泊まりしている拠点に新ペローリア語で書かれた手紙を送らせます。
手紙の文面は以下のとおりです。
「君たちの親愛なる友人のメイ(もしくは誘拐された他の者の名前)をあずかった。彼を助けたければ、娘とジョビアンを連れて、今日の深夜にカタコンベの第106通路まで来たまえ。来なければ君たちの友人を殺し、その他の友人たちにもさらなる死をもたらすだろう。なお、この件は誰にも話さないように。私はどこででも君たちを見張っている」
なお、手紙の文面の最後の部分はハッタリです。
手紙のとおり、カタコンベに入ると、途中で通りすがりの墓番と出会います。彼に怪しいものがいないかと尋ねると、最近は墓泥棒すら見ていないと答えます。しかし実は、彼は変装したオオトモ(墓番は彼がオオトモであることを知らない)に買収されており、PCたちが旧坑道に入ったことを確認し、オオトモに知らせる手筈になっています。オオトモはもう少し先の、112番通路の物陰に身を隠して待っています。しかし、それ以上のことは聞いていません。<人間知識>に成功すれば、彼が何かを隠したがっている様子を察知できますし、上手く買収するか脅しあげれば、上記の事を白状します。
そして第108通路に向かえば、そこには塞がれていたはずの、旧坑道への入り口が開いています。旧坑道は人一人が立って歩ける広さで、また照明を持っていても視覚に絡む判定には-20〜-40(照明の強さに応じて調整)の修正が付きます。<鉱物知識>に成功すると、中が異常に湿っぽいことがわかります。<植物知識>に成功しても、苔や茸が他より多く、ここが湿っぽいということがわかります。墓番を連れていて、なおかつオオトモから受けた仕事の内容を白状させていれば、この旧坑道の奥はときどき湧き水が出ると警告します。
また、入り口付近には後述するトラップを発動させる、ロープを張った仕掛けがありますが、大きさによる修正を含めたうえで、オオトモの<物を隠す78>で、見つけるための<視力>に-53と、加えて先に述べた暗さによる修正が付きます。
50mほど進むとそこには、黒いマントの人影と、地面に打ちたてられた杭に、猿轡を噛まされて縛りつけられたメイ、もしくは誘拐された者がいます。助け出すと、自分をさらった者は黒い布の覆面で顔を隠していたので、正体はわからないと言います。
黒マントの人影に近寄ると、それはカカシにマントを纏わせただけのものであるとわかります。
そして助け出した直後、<聞き耳>を判定します。成功すれば水が流れ込んでくる音が聞こえます。
オオトモの罠は、地盤を崩して大量の水を旧坑道に流しこんで、水と土砂で邪魔者を始末するという物です。オオトモはかつて秘密のアジトにする場所を探していて、この場所を見つけました。ここは地盤が弱く、多量の湧き水も出やすいために、オオトモは以前からここに、邪魔者を始末するための仕掛けを施していたのです。
水は入り口近くから流れ込んできます。
入り口に向かって脱出を試みる場合は、キャラクターごとに水のSTR30に対して抵抗ロールをする必要があります。失敗すると、地面や壁面に激しく打ちつけられ、発射武器の身体部位別命中判定で、二ヶ所にそれぞれ2D4のダメージを受けます。動かず地面や壁面にしがみつく場合は水のSTRを25として扱います。
さらにPOW×5の幸運ロールの判定の必要があります。失敗すると土砂崩れに巻き込まれ、発射武器の身体部位別命中判定で、一ヶ所に2D4のダメージを受けます。なお、ダイスの目で96以上を出すとさらに、SIZ10+3D6の土砂に生き埋めになり、抜け出すには毎ラウンドSTRで抵抗ロールに打ち勝つ必要がある上に、失敗するごとに「窒息」の判定が必要になります。
さらにそうして生き残っても、入り口は土砂崩れで埋まっています。この土砂を掘りだして外に脱出するためには、スコップなどの穴掘りの道具で一日以上かける必要があり、その条件を満たせないなら脱出は不可能です。
奥に向かって脱出を試みるなら、キャラクターごとにDEX×5の判定を3回やらせてください。失敗すれば、奥に向かって水の勢いで弾かれ、発射武器の身体部位別命中判定で、二ヶ所にそれぞれ2D4のダメージを受けます。そして地面が割れて、他の坑道に繋がっている場所があり、そこに水が流れ落ちてキャラクターたちは助かります。
しかし底から奥に進んでもすぐ行き止まりになります。先程水が流れこんだ他の坑道に、水が引いた後に入るしかありません。
その坑道の先では、イマラが待っており、イベント2に続きます。
もし、墓番の合図を封じるか、旧坑道入り口に見張りを置いていたなら、以上のトラップ発動しません。ただし、見張りが武装の不十分な一人か二人程度なら、戦闘用の武装をしたオオトモが《視覚幻影》<隠れる><忍び歩き>で忍び寄り、奇襲攻撃をかけてきます。また、合図の待ち合わせ場所でオオトモを捕まえようとした場合には、オオトモは逃走を試みて,それができないなら戦闘を試みます。
トラップが発動しないまま救出に成功した場合、PCたちが安全圏に出たあとで、演出としてトラップを発動させてください。そしてイマラが現れて、イベント2に続きます。
万が一、入り口付近でトラップの作動装置であるロープをPCたちが切ってしまった場合、人質(あと、先行している者がいればその者も)だけを巻き込んでトラップが発動し、人質は死ぬ上に入り口が塞がれます。
●シーン2 ジョビアンとイマラ
イベント1がひと段落したあとで、イマラがPCたちの前に現れます。PCたちがジョビアンと別行動を取っていたなら、ジョビアンを連れています。
イマラはこの時点で、自分たちの周辺を嗅ぎ回っていたオオトモの存在に完全に気づいており、名の話や、後援者である富裕層の情報提供ルート(イマラは具体的な名前を決して出しませんから、オルテギウスが危険な人物であることを十分に察知しています。今回のオオトモの罠は、後援者からのオオトモの出入りに関する情報提供と、カタコンベ周辺でのカルトのメンバーによる目撃、そして自分自身の霊感によって察知しました。もちろん具体的な罠の内容まではわかりませんでしたが。
イマラはジョビアンに、オルテギウスとオオトモの逮捕と、その悪事を公にすることを、働きかけます
ジョビアンは最初、オルテギウスの影響力を考え躊躇しますが、イマラは以下のように話します。
イマラ:「あなたのお仕事は何ですか、"兄さん"」
ジョビアン:「....知っていたのか」
続いてジョビアンはイマラに、白の月のカルトから身を引き、一緒に暮らすことを提案しますが、以下のように答えます。
イマラ:「私は彼方を見てしまいました」
ジョビアン:「彼方とは?」
イマラ:「未来。既に箍は外れています」
ジョビアン:「箍が外れていようが、腐っていようが、守るべきものを守るのが我らの仕事だ」
イマラ:「なら、そうなさるとよろしい」
ジョビアン:「もはや別々に歩むしかないようだな」
第2パートで充分な成果を得ていれば、ジョビアン、イマラともにオルテギウス邱の地下を真っ先に捜索すべきと考えます。
●シーン3 オルテギウス邱
オルテギウスの悪事を暴くために、オルテギウス邱を捜索することになります。
表立って捜索する場合には、ジョビアンが幾分強引にですが、二時間ほどで正規の手続き取った上で、信頼できる部下の兵士十人を引き連れて突入します。
忍んで潜入する場合には、オオトモの監視の目をくぐりぬける必要があります。オオトモはPCの存在を察知したなら、家の者や官憲を呼ぼうとするでしょう。しかし官憲を呼んだとしてもやってくるのはジョビアンです。
ジョビアンにたのめば、オオトモやオルテギウスなどを拘束してもらうことができます。彼らがおとなしく拘束されるか、逃走するかは状況によります。
地下室の面積は100平方メートルほと、高さは2mから4mです。そこには、秘密の調理設備と、巨大な機械、そして謎めいた祭壇があります。
そして地下室の片隅には、容易に開けられる木の板で蓋をされた、人一人が入っていけるほどの深さ10mほどの竪穴があり、その底には人骨が何十体もあります。そのうちいくつかは明かに最近のもの(<動物知識>を試みてください)だったり、なかには頭を砕かれた赤ん坊の新しめの腐乱死体もあります。
書棚があり、そこにはオルテギウス直筆による、人肉料理のレピシの数々と、日誌があります。
祭壇も木製で、最近オルテギウスによって修復されています。中には、豪華な衣装を身にまとったオーガのミイラ(<動物知識>に成功すればオーガとわかり、そうでなければ牙があるとのみプレイヤーに告げてください)が座った姿勢で安置されています。
PCたちが祭壇に手をつけるか、地下室を捜索してしばらくたつと、ミイラが突如生きているかのように吠え出して、巨大な機械が動き出し、PCたちに攻撃を仕掛けてきます。
機械と直接戦って破壊することは困難でしょう。機械は祭壇のミイラに動かされており、ミイラを破壊すれば停止します。ミイラはAP8の物体として扱います。
調理怪物機械
この機械は耐久力の代わりにAPを持っている。身体部位にその部分のAPを越えるダメージを与えられると、その部位のAPが1減少する。決定的成功の場合のみ、その部位のAPを越えた全てのダメージで、その部分のAPを減少させることができる。
この機械の作業アームは5mまで伸びる。また、1ラウンド内に全てのアームを使って攻撃することができる。ただし、同じ目標に対しては二つまでしか使えないし、二度目の攻撃は3SR送らせる必要がある。
STR 30 SIZ 30 DEX 10
| AP | 近接 | 射撃 | |
| 右側車輪 | 10 | 01 | 01-02 |
| 左側車輪 | 10 | 02 | 03-04 |
| 本体下側 | 12 | 03-06 | 05-07 |
| 本体上側 | 12 | 07-10 | 08-12 |
| 作業アームA | 8 | 11-13 | 13-14 |
| 作業アームB | 8 | 14-16 | 15-16 |
| 作業アームC | 8 | 17-18 | 17-18 |
| 作業アームD | 8 | 19-20 | 19-20 |
| 武器 | SR | 攻撃 | ダメージ |
| 作業アームA | 6 | 50% | 3D6 |
| 作業アームB | 9 | 70% | 2D6+3(貫通効果あり) |
| 作業アームC | 6 | 50% | 3D6 |
| 作業アームD | 9 | 70% | 2D6+3(貫通効果あり) |
●
エンディング
オルテギウス邱の地下を十分に調査し、それを公に明かにできれば、プレイヤーの充分な勝利です。
オルテギウスを逮捕できているなら、より完全な勝利でしょう。逃走されていても、社会的には抹殺できています。
PCたちにはジョビアンを通して、一人あたり50ルナーの報奨金がサルタン直々から出る上に、ヤリアーノ氏族派から好意的に評価されるようになります。ただしマイアン氏族派からはあまりよい目で見られなくなります。
メイはその後、オルテギウスのグルメ趣味上の競争相手で、素行など十分に信用できる貴族の下で新たに料理修行をすることになります。三ヶ月後には、その貴族のパーティーで、彼女の仕事ぶりを見ることができるでしょう。
イマラは、事件が解決すると、PCやジョビアンに何も告げずに別の街に去ってしまいます。イマラは、カルトの信者等に「未来を垣間見てしまった以上、ひとところに留まれはしないから」とのみ、伝言を残しています。