ランブリルのカルト 
Lanbril by Dr Mark
Galeotti <m.galeotti@his.keele.ac.uk>
「新世界は夜の盗賊の如く来たり。而して我はその盗賊」
神話と歴史
ランブリルは定命の祖父の息子であり、内に怒りを秘めた寡黙な男だった。父親が「死」の最初の犠牲者であるがために、神々はランブリルやその同族たち(訳注:人間)を劣等者として拒んだ。ランブリルはそれに対する怒りに我を忘れ、復讐に身を捧げたのである。彼は戦士でも、賢者でも、雄弁の士でも、愛の人でもなかった。自らの美徳により勝利を収めることができないゆえに、ランブリルは他人の美徳を盗むことによりそれを為そうとした。彼は無秩序、幻影、隠密、謀略を体現する存在となった。ランブリルは数多の方法により、本来の神としての権利を証明してのけた。ランブリルは日々の策謀に夢中となり、しばしば神話的な「展望」を見失った。だが、彼は混沌とは手を結ばなかった(何ゆえ自らの獲物を滅ぼす必要があろうか?)。手を休め、思いに耽る時、ランブリルはグローランサの文明化を大いに喜んだという(「交易と政府より偉大な犯罪は他になかろうよ」と彼は笑った)。彼はほとんどの時間、今日の策謀、明日の詐欺に没頭している。
ランブリルのカルトもまた同じように、バラバラで移ろいやすいものである。ランブリル信者は一人かそれ以上の有力な指導者の下でゆるやかな「輪」を形成する。「輪」の中では命令に服し、犯罪からの上がりを共同積立金(これは官吏の買収・メンバーの釈放などに使われる)として喜捨し、当局に情報を漏らさないことが期待される。もちろん、不正手段で得た上がりを隠し仰せたり、リーダーに挑戦したり、ライバルの輪に情報を漏らしたりすることができるのなら、それはそれで結構である。なぜなら、ランブリルは謀りごとと偽りによって栄えるのであるから。
入信条件:
既存のカルトメンバーからの接触を受け、入信を勧められること(ときに「断ることの出来ぬ申し出」である)。
肉体能力:〈ナイフ戦闘〉〈壁登はん〉〈忍び足〉〈隠密移動〉。
精神能力:〈ランブリルの神話〉〈演技〉〈都市の渡世〉〈だます〉〈地域の噂話〉
神力:
《窃盗》(《軽やかなる指》《不覚知の移動》《肉体隠蔽》)
《策謀》(《質問者困惑》《噂の流布》《物品擦り替え》)
他にひとつ、ランブリルの相を反映して地方の「輪」によって。これは一般的に以下のように地域の英雄盗賊を通じて提供される:
●影のエロイア(オスリル河の東岸のほとんど)、誉むべき闇商人。有名な《裏取引》の達人。
神力:
《裏取引》(《押し問答》、《物品発見》、《物品隠匿》)
●痣の拳(コスターディ都市部)、執行人にして脅迫者。彼の犯罪帝国は《脅迫》の技能によって築かれた。
神力:
《脅迫》(《物品破壊》、《怒声》、《脅迫》)
●アファージャンのセラーン(フォンリット)。彼は残忍で効率的な警察国家の下で生き残る術を《秘匿》の技によって教えている。
神力:
《秘匿》(《神託妨害》、《擬死》、《不覚の通過》
●時計仕掛けの教父(パヴィス)、伝説中の錬金術師、小技術者。彼は不可思議で驚異的な《盗賊道具》を作り出した。
神力:
《盗賊道具》(《盗賊道具作成》――作ろうとする品物の力と難度によりペナルティを受け、さらに常に不適正修正を被る)
秘儀:
《神儀窃盗》(儀式魔術。ランブリル信者は当該のアフィニティに関係する何か――例えば武器にかける神儀ならば剣など――を、犠牲者から盗む、あるいは騙し取らねばならない。これはランブリルの小規模なヒーロークエストに不可欠なものである。犠牲者のレーティングに対しての成功は、ランブリル信者が神儀を一回限りの使用可で盗んだことを意味する。この神儀は、盗賊が神儀を使うか、再獲得のためにヒーローポイントを消費するまで(この場合はランブリル信者は神儀を失わない)犠牲者から失われる。ランブリル信者は神儀を元々の所有者のレーティングで使用できる)
供犠:
ランブリルは自らの富を放棄する者を愚か者、獲物として見なし、自分をそのように安く買えると考える信者には良い印象を持たない。カルトの信者は、小さな混乱と偽りを広めるため、一日に一回は直接的な利益を受けない小さな悪さ、ごまかし(根拠のない噂を流す、宿の椅子の脚をゆるめるなど)を行うことを期待される。しかしながら、ランブリルの覚えめでたきを得ようとする者は、他人をだまして何かを捧げさせる、あるいは富を放棄させなければならない。例えば、ランブリルの像を他の神像と偽って何かを捧げさせる、「幸運のために」海に銀貨を投げ入れるのを信じ込ませる、といった具合である。
信者:
特に中部ジェナーテラの犯罪者たち。「盗賊ことば」があるという噂は噂にすぎないが、ランブリル信者はお互いにそれとわかるカルトの秘密の印を教えられている。異国の盗賊が自分のなわばりにやって来た場合、少なくともランブリル仲間であることは認識できる(それがその者から盗むのを妨げるわけではないが)。
顕現:
ランブリルの存在は、信者が犯罪を成功裏に行った時に常に感じられるが、一般的にその大きさは行ったたくらみの複雑さ、程度による。単なる強盗ではランブリルの興味を引くことはない。ランブリルは長く複雑な謀略を見るのを好む。
異界:
「ランブリルの隠れ家」は神界のいずこかに存在しており、他の神域と多くの抜け道やトンネルによってつながっている。隠れ家が真実どこにあるのかを見つけださない限り、一般的に信者はその道の一つを学ぶことになる。ランブリル信者は出来うる限り「死」をだまし続けることを望むが、死後はランブリルがその魂をしばしの間隠し、きれいにしてからグローランサへ戻すことを知ってもいる。
その他の関係:
法と支配に関係するカルトのほとんどは、ランブリルを信用していない。犯罪や無秩序に関係するカルトの多くとは共同戦線を張るだけの間柄である。しかしながら、自らの目的の為に地界を支配しようとしているクラーシトのカルトは仇敵と見なされている。
不利益:
単にランブリルのカルトのメンバーであるというだけで、時には死や追放によって罰せられたり、当局によって注意して監察されることになる。また、輪の援助はとても有用なものであるが、一方ランブリル信者はその援助を輪のメンバーのために提供することを期待される。
その他:
カルマニアでは、ランブリルはしばしば(ときには故意に)“裏切者”ガネサタルスと混同される。ガネサタルスは真の邪悪であり(カルマニア人の悪の狭い定義―悪とは自らの場所を知らない者である―を越えて)、完全に存在を異にする神性である。ランブリルはカルマニアの宗教的伝統の中では“アランブリス”と呼ばれ、(誤って)ガネサタルスの魔の従神たちの一柱に分類されている。
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