balance.jpg (5268 バイト)ターシュ〜帝国の辺境moon4.jpg (5223 バイト)

(この記事は Tome book #3-1 よりの抜粋であるが、一部Glorantha: Introduction to the Hero Warsよりの情報を参考に加筆・修正を行った。)

Map_Tarsh.jpg (41353 バイト)  

支配者:ファランドロス王。
首都:ファーゼスト
人口:36万人

[概説]:

属領地の中で最も裕福な王国であるターシュは、その肥沃な渓谷、広大な丘陵地、また南北間の交易ルートのすぐ近く、という立地条件により利益を得ている。ドラゴン・パス最大の国家であるだけでなく、帝国でも最も豊かな属領地の一つである。

[住民]:

 ゼイヤラン系ウェアラン人のアラコリング人

[言語]:

ゼイヤラン語族のペローリア亜語族に属するターシュ語。

[歴史]:

ルナー帝国に征服されたシリーラ地方から逃れた、“貧窮者”アリムが興した王国である。ターシュは冬の峰の「揺るがす者の寺院」と同盟して勢力を伸ばした。遊牧民の侵略で帝国が弱体化したのに乗じ、一時は北はホーレイから南はサーター北部までを領有する強国となったが、後継者争いから内乱に陥り、1490年には帝国の女英雄ホン・イールに征服された。

1500年代中期に“長柄の斧の”パラシーが古ターシュを復興させたものの、彼が帝国に敗れるとむしろルナー化は加速し、現在は全住人の8割(30万人以上)が赤の女神を受け入れている。

[政治]:

部族は分解され、ルナーの高官たちが支配を行っている。ルナー化の進んだ河川流域の平野地方では、シリーラ風の流行を取り入れ、伝統的な生活風習をさげすんでいる。一方、ほとんどの農民たちの生活はルナー教の流入にも関わらずほとんど変わっていない。ターシュ王国では赤の皇帝の権威はさほど強くなく、ターシュ王が英雄“ドラゴン殺し”アラコリングの子孫として権勢を振るっている。

ターシュ王は「朝貢」として穀物と家畜、さらに鉱物、織物や羊毛などを属領地総督へ収めねばならない。ターシュはかつてアガー、ホーレイ、バラザール(の一部)を領有しており、現在のターシュ王はその回復を目指している。しかし属領地への影響力を強めようと画策するシリーラ君主領がその妨害を行っており、対立の激化が懸念されている。

[文化]:

ドラゴンキル戦争で人類が一掃されたとき、冬の峰の「揺るがす者の寺院」だけは難を逃れた。このため、アーナールダとマーラン・ゴアの「大地の姉妹」信仰がターシュ文化に大きな影響力を持つようになった。後に始まった北からの移民は典型的なオーランス人が中心だったが、ペローリアの優れた冶金技術や農耕技術が伝播するに従って富と権力の集中が生じはじめ、オーランス人的な「自由」に歪みが生じるようになてきていた。この矛盾が噴出したのが「ターシュ内乱」と、それに続くルナー化だったと言える。

[宗教]:

 ターシュ人はアラコリング族に属するオーランス人だが、多くの農民は直接オーランスを信仰することをやめ(オーランス人は敗者を信仰しない)、オーランスの息子たちである狩人の神オデイラ、農夫の神バーンター、牧羊の神ヴォーリオフといった神々を信仰している。またホン・イールが「アーナールダは七母神の中の“待つ女”である」と説明したため、アーナールダの信仰は非常に強いものとなっている。ルナー帝国は、オーランスの代わりにモラーニの信仰を広めようとしたが、これは失敗した。ターシュ王国はドラゴン・パスに積極的に「ルナーの道」を広めようとしている

[軍事]:

7歩兵連隊(約8,400名)と3騎兵連隊(360名)でターシュ軍団が編成されている。ターシュ王はファーゼストに「ファージェンティテス」と呼ばれる貴族の子弟による近衛軍を保有する。

各都市に配置されている連隊は、将校を除いては、食い詰めた農夫の次男、落ちぶれた戦士、荒くれものの元傭兵などの地元民で構成されている。

[ターシュ王国の主な地名]

オスリル河(Osril River):グローランサ最大の河川の一つ。ファーゼストまで通常の船での航行が可能で、ルナー中央地方への重要な交通路となっている。ターシュ地方の穀物は河船でダラ・ハッパの諸都市に供給される。

ジャルドンの過ち川(Jardon's Wrong River):オスリル河の、グレイズランドへ入ってからの名前。ワームの友邦帝国時代の古事に因んで付けられた。

ヒドラ山脈(Hydra Mountain):「曙」の時代からレッサーヒドラが住み着いている恐ろしい地域。

黒ウナギ川(Black Eel):東岩の森山脈から流れ出し、セアード平原を潤す川。

クイントゥス渓谷(Quintus Vale):ペントの遊牧民との間に戦われた「クィントゥス谷の戦い」の舞台となった渓谷。

コルドロス島(Kordros Island):オスリル河の中州島。

灰色熊の峰(Grizzley Peak):“勝利者”ヴィングコット(オーランスの息子の一人)の聖地。「灰色熊の峰の戦い」(1582年)では、ターシュ流民、サーター王ターカロール、羽馬の女王の連合軍はルナー帝国に惨敗し、ターシュのルナー化を決定づけた。

忌まわしの森(Stinking Forest):ドラゴン・パス地域北部の森林地帯。タスクライダーが何百年ものあいだここに住んでいることから、この名前がつけられた。

旅人の碑(Travelling Stone):古代の遺跡。マスターコスの聖地である。

オルムズゴーン渓谷(Ormsgone Valley):赤竜クリサヨールの眠る地。流民の村があるという。

繁みが原(Bush Range):ターシュとサーターの間に広がる平原。ブロントサウルスが生息している。

黄金騎馬渓谷(Goldenhorse Vale):ジャルドンの過ち川(オスリル河)の流域の渓谷地帯。ここを越え、グレイズランドを抜けて聖王国へ向かう隊商が行き来している。

ファーゼスト(Furthest):ターシュ王国の首都。ルナー帝国が到達した“最遠”という意味で、帝国によって建設された。ターシュの文化・経済・政治の中心地で、国王とその家族、高位の聖職者たちがいる。都市の住民は完全にルナー化されている。シリーラ風の広場を中心とした格子状の街路が広がっており、ルナー風の闘技場(コロセウム)と公衆浴場、属州大学が市民の自慢である。また、寺院が非常に多い。ファーゼストにはファーゼスト軍団(近衛軍ファージェンティテス、歩兵3連隊、騎兵3大隊)が駐屯している。

昇月の寺院(Temple of the Reaching Moon):ターシュのグローラインを維持している、ヤーラ・アラニスの大寺院。1496年に建設された。1538年に“長柄の斧の”パラシーとマーラン・ゴアのカルトに破壊されたが、後にファージェンティス王が流民を破りターシュ王となった時に再建された。小都市規模の大きさがあり、中には様々なルナー寺院や、学院などがある。

ガルディーニ(Gardini):砦。ホーレイ女王国方面を防衛している。

タルフォート(Talfort):タルフォート連隊が駐屯している。

ゴールドエッジ(Goldedge):ゴールドエッジ連隊が駐屯している。

スレイブウォール(Slavewall):帝国の征服に抗う人々の拠点となったが、帝国軍に破壊された(1490年)。スレイブウォール連隊が駐屯している。

コッパータウン(Copper Town):ターシュ西方辺境に位置する小都市。ヒドラ山脈から銅鉱が算出されている。近くにはドラゴニュート都市がある。

ダンストップ(Dunstop):ダンストップ連隊が駐屯している。

バグノット(Bagnot):ターシュ王国の古都。ターシュを一時的に解放した“長柄の斧の”パラシーの死後、反帝国派の部族の拠点となっていたが、1582年に陥落した。現在はルナー化が進められている。バグノット連隊が駐屯している。

トゥーファー(Too Far):砦。

ボルニズ・ランディング(Borni's Landing):この砦の近くでは、ルナーの魔術師が「ウォクタパスの巨人」などというものを育成している、という噂が流れている。

揺るがすものの寺院(Shaker's Temple):地震の女神マーラン・ゴアの寺院。

冬の峰(Wintertop):この信じがたいほど高い峰は標高1万2,000mもあり、数百km離れたペローリア平原からも見ることができる。この峰の麓には“長柄の斧の”パラシー王の遺志を継ぐターシュ流民たちが住んでいる。

イリストホールド(Iristhold):流民のイリスタロス部族の砦。

[ターシュ王国の著名人]

ファランドロス(Pharandros):第16代ターシュ王(1610年即位)。ターシュ簒奪の間に生まれ、シリーラ君主領で育ち、グラマーで学を治めた。叔父のファザールを疎ましく思っており、帝国中央の力を借りてその影響を排除しようと画策している。

モイラデス(Moirades):ドラゴン・パス王。名君として知られており、魔術師としても名高い。現在は息子のファランドロスに王位を譲っている。

“博識”ファザール(Fazzur Wideread):属領地軍司令にして、オリンドリ氏族の族長、またモイラデスの義兄(ファランドロス王の叔父)、帝国公爵。学者並の知識を持つ卓越した軍人。ターシュ人には人気が高いが、帝国中央には疎まれている。

“聡明なる”タティウス(Tatius the Bright):野戦魔術学院の校長で、熟達した戦術家また戦略家であり、個人戦闘でも経験をつんでいる。ライバンスの大貴族アシディ家の一員で、イェルムのカルトで高い地位にある。彼はクリムゾン・バットの大司祭への命令権を持つ。実に有能かつ野心的な人物。現在はホワイトウォール攻略にあたって戦術指揮を任されている。

■第三期の歴史

1120     「ドラゴンキル戦争」。死線が作られ、ドラゴン・パスは無人化。
1330     シリーラがフワーレン・ダールシッパの攻撃を受ける。“貧窮者”アリムが死線を越え、ドラゴン・パスへ入る。ターシュ建国。
1340?     アリム、揺るがす者の寺院のソラーナ・トールと婚礼をあげる。
1345    アリム、ドラゴン・パス王になる。
1350?     この頃、トロウルの連隊がターシュ軍の常設部隊となっていた。
1362     ターシュの“双子”、「落ちる丘の戦い」でルナー軍を破る。
1368    アリム没。ヴァスタポール(双子の兄)が王位に就く。
1374     「クィントゥス谷の戦い」。イムサーでペント遊牧民を破る。
1374?    ターシュ軍、シリーラ地方を略奪。
1375    ヴァスタポール没。
1395?     ヤナスドロス王、グレイズランド人を裏切って黄金の馬を得る。
1402    グレイズランドとの戦いに勝利。
1420     デリク・ポルジョニ、「氏族」を連れてプラックスに入る。
1445     クィヴィニ族がターシュを攻撃、バグノット陥落。ヤナスドロス没。
1448     オライオス王がイムサーの狂気領で戦死。双子王朝断絶。
1448〜55    ターシュ内乱。
1455    イラロ王朝成立。
1485    ホン・イール、アーナールダの寺院に侵入。
1490     ホン・イールがパイジームサブ王と結婚。王は死に、ホン・イールが摂政位に(ルナーの征服)。ゴールドエッジ陥落。
1491     「踊る姉妹の戦い」。ルナー・ターシュ軍と反ルナー勢力の戦い。ダンストップ、スレイブウォール、バグノットを残しターシュはルナー化へ。
1496    昇月の寺院完成。
1407    フォロステネス王即位。
1538     “長柄の斧の”パラシー、フィリゴス王を追放、昇月の寺院を破壊。
1538〜55    パラシー、ターシュ王位に。
1539?    「ドラゴニュートの夢」が観測される。
1545    ルナー属領地政府が設立される。
初代属領地総督はターシュの王族であったファージェンティス。
1555     「カーンジー農場の戦い」。パラシー王死す。フィリゴス王戦死。
1556    “隻腕”ファージェンティス、王位に就く。
以後、属領地総督の地位を利用しターシュの国力回復に努める。
1575     サーターのターカロール王、羽馬の女王と結婚しドラゴン・パス王となる。
1579     ファージェンティス没。モイラデスが王位に就く。
1582     「灰色熊峰の戦い」。バグノット陥落。「ターシュ征服」終了。
1585    属領地総督にアッピウス・ルクシウスが就任。
1590    「ターシュの平和」。
1602    サーター征服戦争に参加。
1602〜13     “太っちょ”ユーグリプタスがサーター州総督。
1610    モイラデス王、退位。フォロステネスが王位に。
1613    「スターブロウの反乱」。
1613〜21    “博識”ファザールがサーター総督府王。

■ターシュのシナリオ

・“双子”の復活が予言される。流民たちは復活を期して各地で活動を活発化。

・流民が地方都市で争乱を起こす。(例:帝国が管理していた混沌を解放し市民を襲わせる。上水道にブルーの死体を投げ込む。政府と取引をしている商人の粛正。要人の暗殺。放火。ルナーの隊商を襲う)

・街の広場で反乱者の公開処刑。

・夢ドラゴンが農場を襲う。農場主は対策に苦慮。

・ファザール派とファランドロス王/タティウス派の派閥闘争に関わる陰謀。

・グローラインが一時的に消える(1D6日間)。原因調査が行われる。

・丘陵のオーランス信者が反乱を起こす。帝国軍が派遣される。

・忌まわしの森からタスクライダーの略奪。

・はぐれトロウルキンの荒くれ者たちが農場を襲う。農民たちは護衛を雇う。

ありんくす[トップへ戻る]

[What's New] /  [いんふぉめーしょん] / [よくわかる?グローランサ] / [Art Gallery]
[灰色卿らいぶらり] / [既刊新刊] / [らんだむとーく] / [りんくす] / [BBS]

mailto.gif (852 バイト) Webmaster: まりおん