ヴォルメインと帝国

〜グローランサの“日本”〜


ヴォルメイン
Vormain

 ヴォルメインはジェナーテラの大陸上ではなく、クラロレラからカハール海を渡って東に位置する群島である。ヴォルメインは何世紀にも渡って鎖国を続けている閉ざされた国であり、民族主義の強い社会を形成している。原住民の海賊たちは、バラクーダ(オニカマス)の姿をとったトゥサンクスを崇拝しており、その岸を離れられるのは彼らだけであった。ヴォルメインに関しての噂や嘘は多くあるが、その原住民の実体を知っているものはいない。

――「グローランサ 古の秘密」より

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 これは Mailing List の Glorantha Digest 上で、Peter Metcalfe 氏と zebraface 氏のあいだに行われたヴォルメインに関するスレッドの翻訳です。Peter Metcalfe 氏によって、“Missing Land”で明らかになったヴォルメインの設定が簡潔にまとめられています(一部、Introduction to Glorantha からの情報もあるようですが)。

 なお、Web掲載にあたり、Peter Metcalfe氏とZebraface 氏より了解を頂いております。


From: Peter Metcalfe <metcalph@bigfoot.com>
Subject: Vormain and Empire

Terra Incognita:

>1:海賊だけなのか?

(訳注:ヴォルメインは海賊で有名であるとされているが、これは和冦をモデルにしていると思われる)

 そうではない。ヴォルメイン人は東方諸島の中に「後背諸島」(Hinter Isles)、あるいは他の人々に「戦の島々」と呼ばれる広大な帝国を支配している。この帝国の役割はたった一つ、“ヴォルメイン本土”に何者をも近寄らせないことだ。後背諸島のヴォルメイン人の支配者たちは本土に戻ることを禁じられており、ヴォルメインがいかなるところなのか語ることも禁忌とされている(そして、そのような問いを発する者を殺す義務すらある)。このモデルは徳川幕府の鎖国政策で、異国人は誰もヴォルメインがどのようなところなのか知らないのだ。

 後背諸島の支配者たちは、ヴォルメイン人と東方諸島人(すなわち入植者と現地人)を支配するサムライのような者たちである。ヴォルメイン人は家臣として仕え、東方諸島人はそれぞれ独自の生活を維持している。それぞれの島の支配は慈悲深いかもしれないし、残忍かもしれない。あるいは平和的かもしれないし、反逆的かもしれない。ヴォルメイン本土は、後背諸島の支配に興味を持っていない。本土は、異国人を避けたいだけなのだから。支配者たちのスタイルはそれぞれ違うかもしれない(すなわち、すべてがサムライではないかもしれない)。彼らは数度に渡る侵略によって多くの島々を征服したからである。

 ヴォルメインに属するされる海賊のほとんどは、実際には後背諸島、特にアウシクズ(Oushikz)島の「霧の海賊」(Fog Pirates)たちである。彼らは“もっとも華麗なダイアモンド”(Most Grand Diamond)の司祭たちと、ノルブ(Norbu/ヴォルメイン本土にある)の「トゥサンクス神の天空神殿」(Sky Temple to the God Tsankth)によって監督されている。彼らは、海賊たちが後背諸島の支配に反さず、異国人(普通の東方諸島人を含む)を略奪することを確しているのである。これはヴォルメインの唯一の外交政策の指針であり、そしてあまり好まれていない。海賊たちとヴォルメイン人の支配者たちの間には、疑いなく対立が発生するであろう(特に、海賊たちが恵み深い支配者の臣民に対して略奪を始めた場合は)。

>これは第二次大戦をモデルとしたのか? だとしたら恐ろしい考えだ。

 後背諸島と日本の植民地帝国=大東亜共栄圏との間の比較は避けがたいものだろう。なぜなら、我々は「日本の海外帝国」について他にモデルとするものがないからだ。秀吉はそれを行おうとしたが、成功はしなかった(訳注:よく知ってるな)

 後背諸島は規律によって厳しく統治されているわけではないこと、またヴォルメイン人が植民地の拡大のためにそこにいるわけではないことは強調しておきたい。彼らは全く逆の考えを持っている。つまり、ヴォルメインを征服しようとする人々を避けるためなのだ。そして後背諸島の支配者たちは、自分たちの統治を特別に高貴な自己犠牲的な行いだと考えている。なぜなら、彼らは本土に戻ることは二度とできないからだ。

>2:神々と色彩魔術
>皇帝ヴァルゼイン、魔術師ザクティラ、侍テラスク、そして船人トゥサンクス
>(日本では Tales of the Reaching Moon 17号の記述に対して嘆きの声があ
>がった)は、非常にあいまいでステレオタイプ的なものだ。

(訳注:TotRM #17 は東方諸島特集で、一部ヴォルメインに関する記述があった。zebraface氏のいうとおり、これは結構なシロモノであった(笑)。なお、TotRM の記述は公式設定とはかなり異なる)

 ザクティラは魔術師ではない、というのは別にして、色彩魔術に関するおきまりの滑稽な設定に関しては、負けを認めなければならないだろう。おそらく、ヴォルメインに関するエキスパート、アレックス氏(訳注:実際は東方諸島に関するエキスパート)が最新の考えを説明してくれるだろう。彼にそうする気があればだが(笑)。しかしながら、色彩の神々というのは近年のものであって、鎖国の前にはヴォルメインはもっとまっとうに見えたのだが。

>アイデア:
>あるヴォルメイン人がマルキオンの分派として大聖人フレストルの墓
>へ巡礼をしたいと考える。彼らは領地で異端の領主にひどく迫害され
>ており、英雄戦争の時代、ジェナーテラ高評議会に助けを求める(第
>7回公会議の後?)

 鎖国があまりに完璧なため、ヴォルメインにはマルキオン信徒は存在しない。しかしながら、ヴォルメインにはマータラクの魔道士(訳注:Martalak/東方諸島の反神 antigod の一柱。魔道の神)がいる。これは私の考えだが、ヴァルカロー教会の島々のひとつにはヴォルメイン人のマルキオン教徒が住み着いていると思う。彼らは魔術師ヴァルカローとその民を滅ぼすため、東方海洋帝国(訳注:第二期に存在した政治組織。神知者と敵対した)に雇われた戦士たちの末裔である。しかし、彼らは上陸した際ヴァルカローと会い、誰も理解できない奇跡により玉突き式に改宗し、侵略は失敗に終わったのだ。

- --Peter Metcalfe

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